ほしいも鶴田

2021/07/15 17:08

干し芋 鶴田商店です。

 干し芋の甘さが単純な甘さではないことをお伝えしたいと思います。
干し芋は、原料のさつまいもの状態から、いくつかの工程を経てさつまいもが変化することで、
濃厚で上品な甘さを実現しています。

前収穫直後のさつまいもは、全然甘くない!

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 ご存じの方も多いと思いますが。実は、さつまいもは、収穫直後は、甘みが少なく、美味しくありません。一般的な生のサツマイモの糖分は、大部分が甘くないデンプンが占めており,一部、スクロースやフルクトース,グルコースという糖分なども含まれています。このため,収穫直後のサツマイモを食べても甘味は少ないのです。

第1ステップ:さつまいもの低温貯蔵・熟成

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 さつまいもは、低温貯蔵することで、徐々にデンプンがショ糖などの甘い糖分に変化します。また、スクロース等の糖分も貯蔵によって多くなります。さつまいもの貯蔵には,温度 13~15 ℃,湿度 90 % 程度の環境が適していると言われています。10 ℃以下で保管すると低温障害で腐敗してしまします。鶴田商店でも、専用の貯蔵倉庫にさつまいもを2カ月以上、保管して熟成しています。

第2ステップ:さつまいもの加熱

水飴 (2)

 生のさつまいもを加熱することによって、お芋はとても甘くなります。これには、主成分のデンプンと、アミラーゼという酵素が関係しており、ブドウ糖が鎖のように長く連なってできているデンプンをアミラーゼが、その鎖を切って、麦芽糖や果糖、ブドウ糖などの糖を作り出す働きをするのです。
 ここで大切なポイントは、「デンプンの糊化(65~75℃)」と「アミラーゼの働き(80℃未満)」を満たす、65〜80℃の温度帯を維持しながら加熱すると、アミラーゼが最大限に働き、甘味を増したさつまいもになります。

糖分

 加熱により、さつまいもの糖度は非常に高く、含まれる糖分も麦芽糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖の4種類によって構成されるようになります。その糖分も、それぞれ感じる甘みの特長が異なります。
 麦芽糖:水飴のような優しくて自然な甘み
 ショ糖:砂糖のような強い甘み
 果糖・ブドウ糖:爽やかで上品な甘み

水飴 (1)

 また、水飴の主成分でもある麦芽糖により、蜜を染み込ませたようなしっとりと甘くて美味しいさつまいもにしてくれるのです。

第3ステップ:乾燥により成分の凝縮

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 加熱によって、糖度が高くなり甘くて美味しくなったさつまいもを、皮むきやスライスなどの加工をした後に、専用のすだれに並べて、最後に乾燥させます。この乾燥により、水分が飛んで、さつまいもの成分が凝縮し、濃厚で甘くて美味しい干し芋が完成します。

 以前にもご紹介しましたが、干し芋が完成した後、時間が経過すると、白い粉が出てきます。この白い粉の正体はさつまいもの「糖分(麦芽糖)」が、乾燥により干し芋の表面に現れたものが結晶となったものです。

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 自然のさつまいもが、貯蔵や加熱、乾燥により変化を繰り返しながら、添加物を加えずとも、最後に、ねっとり甘くて美味しい干し芋になります。そして、新たに作られた糖分の麦芽糖を白い粉(結晶)で表すのです。さつまいも自体が持つ力や人々の研究や発見によって、美味しい干し芋が作れることを改めて感謝しますし、つくづく面白い食べ物だなと感じました。

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さつまいものすごさが分かる干し芋をぜひ、一度ご賞味くださいませ。
心よりお待ちしております。

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